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成年後見制度に関するQ&A

法定後見制度

任意後見制度

法定後見制度

Q1 法定後見制度の三つの類型(後見・保佐・補助)の見分け方はどうなっているのですか
A1 下図を参考にしてください。日常生活に関する行為が自分でできるか、重要な財産行為は可能かどうかが基準になります。
補助 保佐 成年後見
民法
 事理を弁識する能力
不十分 著しく不十分 欠く常況にある
日常生活に関する行為(注1)
重要な財産行為(注2)
自分で出来る   自分で出来ない
できるかもしれないが、できるかどうか危惧がある 日常的な買い物は自分でできるが、重要な財産行為は自分でできない 自分でできない
最高裁判所による紹介事例 軽度の痴呆症状の女性(80歳)。最近米を研がずに炊いてしまうなど、家事の失敗がみられるようになった。訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまった。 中程度の痴呆症状の女性(73歳)。以前からもの忘れがみられた。最近症状が進み、買い物で一万円札を出したか五千円札を出したか、わからなくなることが多くなった。日常生活に支障が出てきたため、長男家族と同居することになった。 アルツハイマー病の男性(57歳)。5年ほど前からもの忘れがひどくなり、直属の部下をみてもだれかわからなくなるなど、しだいに社会生活を送ることができなくなった。家族の判別もつかなくなり、症状は重くなり、回復の見込みはない。2年前から入院している。
注1 日常生活に関する行為:日用品の購入など
注2 重要な財産行為:民法第13条第1項で定められている次の行為
  1. 貸金の元本の返済を受けたり、不動産や金銭の貸付けをすること
  2. 金銭を借り入れたり、保証人になること
  3. 不動産をはじめとする重要な財産(自動車等)について、売買等をすること
  4. 訴訟を提起すること (相手方の訴えに対し応訴することは含まない)
  5. 贈与をすること、和解や仲裁契約をすること
  6. 相続の承認や放棄をすること、遺産分割の協議をすること
  7. 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、または負担付遺贈の承認すること
  8. 新築・改築・増築または大修繕をすること
  9. 建物については3年、土地については5年を超える期間の賃貸借
Q2 申立てはどのようにするのですか
A2 申立ては本人・配偶者・4親等内の親族など、法律で決まっている人が行います。

申立てをする家庭裁判所は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所ですが、本人が住所地以外の場所にある施設に入所中の場合には、通常は施設のある地を管轄する家庭裁判所となります。

申立ての方法は、通常は家庭裁判所に備え付けの書面にて行います。なお、自分で申立てをするのは難しいという方は、司法書士や弁護士に依頼することもできます。

Q3 費用と期間はどれくらいでしょうか
A3 裁判所に収める申立手数料として収入印紙800円、登記手数料として登記印紙4000円が必要です。その他連絡用の郵便切手(申立て先の家庭裁判所に確認)、本人の判断能力を医学的に確認するための鑑定料(個々の事案により異なるが10万円程度。不要な場合もあり)がかかります。

申立てから開始までの期間は、個々の事案により異なりますが、一定の審理期間がありますので、多くの場合3〜4か月程度です。

Q4 成年後見登記制度とはなんですか
A4 成年後見登記制度は、法定後見制度と任意後見制度の利用の内容、成年後見人の権限や任意後見契約の内容などを登記し、その情報を開示することによって、判断能力の衰えた方との取引の安全を確保するための制度です。

登記されている内容などは「登記事項証明書」という形で、本人や成年後見人など限られた方からの請求により法務局より発行してもらえます。また、成年後見制度を利用していない方は、登記されていないことの証明書の交付をうけることができます。例えば介護サービスの提供契約などを結ぶ際にこれを提示することで成年後見制度を利用しているか否か、どのような権限を成年後見人等に与えているか確認できます。

Q5 家族以外の成年後見人が選任されるのはどのような時なのでしょうか
A5 第三者(専門職:司法書士・弁護士・介護福祉士等)が選任されるケースとしては、本人に身寄りがいない場合や、親族間に紛争を抱えている場合、その他複雑で難しい法的問題を抱えている場合などが考えられます。
Q6 成年後見人の職務について教えてください
A6 成年後見人の職務は大きく分けると、「財産管理」と「身上監護」になります。それらの職務の遂行状況を「家庭裁判所へ報告」することによって、家庭裁判所の監督を受けることになります。
Q7 財産管理とはどういうことをするのですか
A7 具体的には、現金・預貯金の場合、通帳の保管や入出金の管理。不動産の場合、貸家・貸駐車場があれば賃貸借契約の締結や賃料の回収、賃貸物件の維持管理です。
Q8 身上監護とはどういうことをするのですか
A8 次のような内容が考えられます。

身上監護とは

  1. 治療・入院等に関し、病院と契約する(諸手続きをする。)
  2. 健康診断等の受診手続きをする。
  3. 住居の確保(賃貸借契約など)をする。
  4. 施設等の入退所に関する手続をする。
  5. 施設・病院等の処遇を監視し、本人に不利益がある場合などは改善を要求する。
  6. 要介護認定(更新)の手続きや介護サービス事業者と介護サービス契約を終結する。
  7. 介護サービス等が契約内容どおりか確認し、異なる点がある場合は、改善を要求する。
  8. 教育・リハビリに関する契約を終結する。
  9. 訪問などにより本人の状況に変更がないか「見守り」をする。
Q9 成年後見人として気をつけなければいけないことはありますか
A9 成年後見人は、親族であっても他人の財産を管理することになります。したがって次のようなことはしてはいけません。
  1. 財産の混同
    本人と成年後見人の財産はきちんと区別して管理しなければなりません。たとえば成年後見人の預金口座に本人のお金を入金したりしてはいけません。
  2. 使い込み
    急な出費があるので、すぐ返すつもりで本人の預金通帳から引き出す行為は、他人の財産を横領したことになりますので注意してください。
  3. 投資など
    低利な預金より、高利回りの投資信託等のほうがお金が増やせるからと、預金から移しかえることは、元本保証がない分、本人の財産を危うくすることになるため控えるべきです。
Q10 成年後見人就任後の流れを教えてください
A10 下図は就任後の流れです。

Q11 成年後見人選任の目的であった遺産分割協議や入所契約を終えたので成年後見人を辞任したいのですが可能でしょうか
A11 きちんとした理由がなければ辞任はできません。理由としては、たとえば成年後見人の体調不良や転勤など、本人支援に支障が出る場合には辞任が認められることが考えられます。
Q12 後見業務が終了するのはどのような場合ですか
A12 本人が亡くなったときや、判断能力が回復して後見を取り消したときには終了します。また、成年後見人が本人の財産を使い込むなど不適切な行為があれば解任されることもあります。

任意後見制度

Q1 本人は、任意後見人に対してどのような権限を与えることができますか
A1 精神上の障害により判断能力が不十分な状況での自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務(法律行為)の全部または一部について、自由に範囲を定めて、任意後見人に代理権を与えてその事務を委託することができます。
Q2 任意後見人になるには何かの資格が必要ですか
A2 任意後見人の資格には、法律上の制限はありません。一般的には、本人の親族もしくは知人、司法書士もしくは弁護士等の法律実務家、社会福祉士等の福祉の専門家が任意後見人になることが多いと思われます。
Q3 任意後見契約と併せて遺言をした方がいいと聞きましたがなぜですか
A3 自分の老後等における財産の管理方法等を事前に決めておく「任意後見契約」は、自分の死後における遺産の管理方法等を生前に定めておく「遺言」(特に公正証書遺言)と類似する制度です。そのため、任意後見契約の公正証書と遺言執行者の定めのある遺言の公正証書をセットで作成するという方法も、財産管理の連続性の観点から有効でしょう。

大切な財産を、自分の死後もできるだけ自分の希望どおり管理し活用して欲しいとの思いからする遺言と、自分が死亡する前であっても判断能力が不十分な状態になったときには、できるだけ自分の希望する形で財産を管理して欲しいという思いを信頼できる人に伝えて、実際に判断能力が不十分な状態になったときに、財産の管理を希望に沿った方法で行ってもらうために任意後見制度とをセットで活用するのです。

Q4 見守り契約ってなんですか
A4 任意後見契約締結から、任意後見が開始するまでの間、定期的に本人の安否、心身の状態および生活の状況の確認をすることを主な内容とする、任意後見契約とは別に結ぶ契約のことです。

財産管理等委任契約(Q5参照)を締結せずに、任意後見契約のみを締結する場合に、任意後見契約の成立後、実際に任意後見が開始するまでの間も、本人と任意後見人との間に一定の関係を築いておくことで、本人の心身の状態および生活の状況の変化ならびに判断能力の減退の程度等を適切に把握でき、後見開始のタイミングを逸することの防止に役立ちます。

Q5 財産管理等委任契約ってなんですか
A5 任意後見契約を締結しても、高齢者等で精神上の障害はないが、身体上の障害により署名できないなど、契約等の法律行為をすることが不便だという人は、実際に「精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるとき」に至るまでは、任意後見制度を利用することができません。

しかし、高齢者のなかには精神上の障害はなくても身体上の障害があるために、金融機関での日常の預貯金の出し入れを始めとする契約等の法律行為をすることに不安があるという人もいます。

このような人は、財産管理等委任契約を締結し、直ちに任意代理人を選任して、その任意代理人に自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務の全部または一部について代理する権限を与えることによって、実際に任意後見契約の効力が発生するまでの間も、一定の支援を受けることができます。

Q6 死後事務委任契約ってなんですか
A6 本人が、任意後見人に対し、自分の死後の葬儀や埋葬等に関する事務の代理権を与えて死後の事務を委託する契約のことです。

晩年の身上監護と財産管理を万全なものとした上で、死後の相続、相続財産の管理または処分に紛争が生じないようにするために「財産管理等委任契約」、「任意後見契約」、「死後事務委任契約」の契約をするとともに「遺言」をするという方法が考えられます。

Q7 将来型、移行型、即効型について教えてください
A7 将来型は、本人が判断能力が低下した時点で任意後見契約の効力を発生させる通常の、移行型は、財産管理等委任契約などの通常の任意代理の契約から任意後見契約に以降する場合の、即効型は、任意後見契約の締結の直後に契約の効力を発生させる、それぞれ任意後見契約の類型です。

どのモデルを選択するかは下図を参考にしながら、利用する方の状況等に応じて慎重に判断しましょう。

(図)将来型プラン

(図)移行型プラン

(図)即効型プラン

Q8 任意後見人に与える代理権の範囲の定め方で注意すべきことはありますか
A8 任意後見人に与える代理権の範囲は、幅広く定めたほうが不測の事態にも対応しやすくなるということでは安心です。本人の権利擁護を重視しようとすると、委任の漏れを防止しようという考えが強くなり、どうしても包括的な定め方になってしまいます。

しかし、あまりに包括的な代理権の定め方をすると、任意後見契約の趣旨を逸脱し、ともすれば法定後見のような形になってしまいます。

任意後見人に与える代理権の範囲はとても悩ましい問題です。契約に際しては、とても慎重な判断が求められるでしょう。場合によっては第三者の意見も参考にしてみてはいかがでしょうか。

Q9 任意後見監督人はどのような事務をするのですか
A9 主な職務は、任意後見人が事務を適正に行っているかを監督し、遂行状況を定期的に家庭裁判所に報告することです。

つまり、法定後見制度では家庭裁判所が成年後見人等を直接監督しているのに対し、任意後見制度では、家庭裁判所は任意後見監督人を通じた間接的な監督をするにとどまり、任意後見監督人が任意後見人を直接的に監督することになります。

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